Junko先生はこうしてフランス語の壁を越えた!

毎月1~2回、最大10名の生徒様と講師がオンラインで語り合う無料イベント「アンサンブル情報交換コミュニティ」。今年の2月からは日本人講師を司会進行役に、「○○先生はこうしてフランス語の壁を越えた」というテーマで開催されていますが、11月29日はアンサンブル講師のJunko先生が担当されました。

Junko先生より当日の様子のレポートが届きましたので、どうぞご覧ください。

私はこうしてフランス語の壁を越えている?!

去る11月29日(金)に5名のアンサンブルメイトさんと私の計6名で、フランス語学習をテーマにディスカッションの時を持ちました。

簡単な自己紹介、フランス語を始めたきっかけや理由を順番に話し、フランス語に対する思いや日々の学習や生活の中で感じている『壁』について、活発に率直に意見交換を行いました。

あっという間の50分で、もっと時間があれば、更なる本音トークが望めたのではと心残りでしたが、初めて顔を合わせたメイトさん達との楽しい時間を過ごすことが出来て、大変うれしかったです。

参加者の皆さまの『壁』

今回、興味深い『壁』の一つとして、複数の参加者から挙げられたのは、辞書に書いてあるフランス語が現実社会で実際に(日常的に?)使われていないことをネイティヴに指摘された時に感じる「戸惑い」でした。一生懸命覚え、いざ駆使する場面において出鼻を挫かれる、がっかりな瞬間です。

しかし、なるほど、ここにフランス語が“生き物”であることが証明されています。口語か、文語かに加え常用かという点に、もっと注意を払って学習を進めなければいけないということを皆さんと再確認しました。

また、発音に関する切実な悩みも無視して通れない『壁』の一つであるとうかがいました。私もフランス滞在中に、発音の拙さから、自分が言いたいことが解ってもらえない場面に幾度も出くわし、その都度、苦笑いでごまかしてきたことを思い出しました。

私にとっての『壁』は一体何か?

実は、今回のディスカッションの標題は、私にとって悩ましいものでした。この悩ましさから、元来、嘘をつけない私は、自分の発言の番が回ってきた時、参加者のみなさんの期待を裏切る2つのコメントを口にしてしまいました。

「フランス語の壁を越えるどころか、それは常にあります!!」
「フランス語とのつきあいは30年(気がついたら、こんなに長く...)フランス語講師歴6年ですが、実はこの6年間ほどフランス語に真剣に向き合ったことはありません!!」

であれば、私にとっての『壁』は一体何か? その定義は、自分の潜在能力に自らが人差し指を振ってNonとダメ出しすることなんだと思います。他者の目には隠されている壁で、意識的に、無意識的に、怠慢から、根拠のある恐れ、ない恐れから自分の中で大きくなったり、小さくなったり、消えたり、現れたり、忙しく変化します。

『壁』を乗り越えるカギは…

この厄介な『壁』を乗り越えるカギは、実に逆説的なのですが、「講師であり続けること」ではないかと思わされます。半強制的かつ自律的な学習者として、日々のレッスンに備えた勉強、そこに費やす時間と注ぎ込む情熱、レッスンを受講して下さる生徒さんとの出会いと期待、小さなPC画面とイヤホンを介して共有する「ドコでもドア」の不思議な空間、ニッポンのフランス語学習者という1つの「運命共同体」に属する2人が作り出す50分のストーリー、これら全てが壁を乗り越えるための原動力となっているからです。

恩師の言葉

ここで30年前にアテネ・フランセの恩師に言われ、今日まで記憶に深く残っている言葉を以下に紹介します。

「フランス語は目的ではない、手段です。」

語学において、自分のフランス語に何を求めるのかということは、もちろん大事です。しかし時にはリフレーミング(reframing)しながら、自分のフランス語を使って、自分が人生で何を実現したいのか、自分がどこを目指しているのか、ぜひ自分自身に深く問いかけてみて下さい。そうすると、そのために自分が本当にしたいこと、すべきだと感じていること、その時に必要なこと(講師、教材、学習方法等…)が自ずと見えてくるのではないでしょうか。その時に今まで自分が壁だと思っていたことが、実はそうではなかったと気づくかもしれません。

学習者一人一人の顔、性格、好み、得手・不得手、今まで歩いてきた道、そこで出会ってきたもの、見てきたもの、感じてきたもの、全て異なるわけですから、それぞれに適応したその時の学習方法があるはずです。それをとことん追求していくのも、語学の醍醐味ではないかと思います。

大切なのは、「言語は目的ではなく手段である」ということ、「学習への情熱と意欲を保つ」こと、そして「“出来ない”という名の壁を自分で作り上げてしまわない」ことではないでしょうか。

最後に…

フランス語に対して常に真摯であり続けていれば、ある時、フランス語から近づいてきてくれます。これは片思いから始まった“彼”との長い付き合いの中で、それを体験してきた私だからこそ言えることかも知れません(笑)

これからも、語学という果てしない道をアンサンブルの生徒のみなさんと共に楽しく走り続けていきたい、良きペースメーカーとしてあり続けたいと願っています。

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